用語集 期限の利益の喪失
期限の利益の喪失とは
借金を分割払いで行っている場合、借用書に定めた通り、毎月一部ずつ返済をすればよく、一括で返済する必要はありません。
このように、毎月決められた額を返済すれば、残りの借金は、次の支払い日まで支払わなくてもよいという利益が借主にはあります。
これを「期限の利益」といいます。
従って「期限の利益の喪失」とは、「借金返済の手段として分割払いでよい」という利益を失い、残っている借金のすべてを一括で支払わなければならなくなることなのです。
借用書には必ず「期限の利益の喪失」がある
借用書には、ほぼもれなく、「期限の利益の喪失」という条項が入っています。
「約束を守らないときは、支払いが一括払いで請求されますよ!」という内容です。
お金を借りるときは、切羽詰まっている場合が多いので、ほとんど確認せずに契約してしまう場合も多いと思いますが、とても大切なことが書いてあるので、借用書を引っ張り出して1度目を通していることをおすすめします。
喪失する際の条件
喪失する際の条件としては、以下のような内容が書いてあると思います。
・支払い期日に支払わず(延滞)、再度、貸主から期間を定めて支払いを督促したが、支払われなかったとき
・手形、小切手が不渡りになったとき
・差押え、仮差押え、保全差押え、仮処分の申し立て、滞納処分を受けたとき
・破産、会社整理、特別清算、会社更生の申立てを受けたとき、申立てをしたとき
・本契約上の義務に違反し、その違反が重大なとき
・借主の信用状態が著しく悪化した時
このような条件に当てはまった時、期限の利益を失い、残った借金を一括で支払わなければならなくなることになります。
現実的には
大抵の場合、1、2度の支払遅延では、期限の利益を失うことはありません。
しかし、このような条項が借用書に存在している以上、一括で支払えとなっても、文句は言えません。
貸金業者側も、多少延滞があっても、支払いをする意志があり、実際に支払いを継続している実績があれば、出来るだけ長く付き合った方が利益になるので、遅延する場合は、必ず連絡を入れ、支払いの目途を伝えることが大切だと思います。
延滞しているにもかかわらず、連絡を入れず、音信不通になると、これ以上取引を続けても無駄と考え、一括払いの要求に踏み切る場合が考えられます。
期限の利益を失うと一括払いになる可能性がある。